苗字でバレる?!ジモティかヨソ者か
「片品で石を投げたら星野に当たる」なんて言う人がいるほど
「星野」さんは片品村に多い名字です。
片品村は関東最北の「平家落人伝承」がある村。「星野」は平家に由来する名字とも言われています。
名字が同じ人が多いので、職場や学校でも下の名前で呼び合うのが基本。
「星野」以外に、「萩原」「千明(ちぎら)」「戸丸」など、
片品出身者の名字はある程度限定されているので
嫁入り・婿入りで移住してきた人以外は、名乗れば大体分かります。
「みんな下の名前で呼び合っているのに、自分だけ名字で呼ばれてサミシい……」と
思ってしまいそうなナイーブな移住者の人は
自分から積極的に下の名前やあだ名を広めにかかりましょう。
あの人とこの人も?かくれ親戚に気をつけろ!
同じ名字の人が多いということは、親戚どうしの人も相当多いということ。
全然別の場所で知り合ったAさんとBさんが親子や夫婦だった、なんてこともザラです。
場所によっては「一つの集落がほとんど親戚」というパターンも。
「CさんにDさんの陰口を言ったら、後で2人が親戚同士だって知りました……」というのは
移住初期の失敗あるあるランキング上位(?)です。
人付き合いのマナーの問題ですが、失敗して損をするのは自分。
どうしても吐き出したい愚痴は相手を選んで言いましょう。
怒ってる……? いえ、そういう喋り方なんです
片品のある群馬県は、多摩弁や神奈川弁と同じ「北関東方言」に属していて
お笑い芸人のU字工事が話している ゆる〜い感じの栃木弁や茨城弁とは大きく異なる。
なんというか、ちょっと「べらんめえ」っぽい口調。
その上、片品のおっちゃんやおばちゃんはわりとグイグイ来るので、
初めての人は「怒られた?」「ケンカしてる?」「怖い・・」なんて思ってしまうことも。
(でもイントネーションは標準語に近いので、本人は標準語をしゃべっているつもりだったりする)
聞き慣れてくると、可愛くて味がある片品ことば。
使いこなしてカタシナ人にちょっと近づこう!
ー 『にんそく』ってなに? ー
「人足」と書いて「にんそく」と読む。
ネットで調べると「力仕事に従事する労働者」なんて解説が出てきますが片品の「人足」をイマドキの言葉で言うと「地域活動のためのボランティア」といったところでしょうか。
お祭りの準備に人足。消防団に人足。村の運動会の準備に人足。
山村で地域をみんなで維持するために、人足は欠かせない面もあります。とはいえ、最近はサラリーマンや時給で働く人も増えたので「休みの日に人足は嫌」「仕事休んで人足はムリ」「そもそも人足には出ない」という若い人も増えています。
自分の生活もある中、どこまで地域の人と交流して暮らすか、人によって判断はさまざまですが、人足を通して集落の人と仲良くなったり、すごい技を持っている地元の人を発見したり、都会からの移住者にとっては新鮮なことや、良い面もたくさんあります。
最近は、各地域ごとに「これは最低出た方がいいけど、これは余裕があればでいいよ」と優先順位を決めている場合もあるので、自分の住む地域の区長さんなどに前もって確認しておくとお互いに誤解なく生活できるのではないかと思います。
スポーツ大好き!飲み会大好き!
片品には身体を動かすのが好きな人が多いです。
夜明け前から農作業をしているのに、夕方は地域の仲間とソフトボール!
80歳のお年寄りでも、週3回はグランドゴルフ!
歳をとっても元気な人が多いのは、そんな理由もあるようです。
そんな片品で最高峰のスポーツイベントといえば、毎年10月の第一日曜日に開催される
「村民運動会(略して”村民”)」!
片品村内の8つの地域が、お互いの意地とプライドをかけてぶつかり合います。
“村民”の前に、各地区内で運動会を開催して予選会を行っている場合も。
昔は部活動の全国大会と”村民”の日程がぶつかったら、”村民”を優先したなんて話もあるほど
片品の人にとっては重要なイベントです。
そしてイベントの後には、必ずと言っていいほど「慰労会(=飲み会)」がセットに。
(人によっては慰労会の方がメインなのでは……という人も)
ハマる人には最高に楽しい、村のコミュニティならではのディープな交流。
ぜひ仲間入りしてみては?