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インタビュー

Uターンカタシナ人

星野 勝一 さん
 妻、子ども3 人
1979 年 群馬県片品村出身 滋賀県(大学進学)→ 神奈川県・東京都(就職)→ 片品村へU ターン

片品村民のハレの日を演出する洋菓子職人

子どもの頃は農家が嫌だった

 子どもの頃は親からずっと農家やれって言われてて。その反発と、実際見ててすごい大変だったので農家はやりたくないと思ってました。朝も早いし、休みもないし。

 村のことも若い時にはつまらないと思っていて。東京で仕事をしたいってずっと思っていました。

リアル感のなかった東京でのサラリーマン生活

 就職は特にやりたいことがなかったんです。PC の仕事がこれからいいだろうと思って、募集してたのがソニーのグループ会社で、受けたら受かっちゃって。10 年間ずっと座ってPC の仕事してて、コミュニケーションも全部メールとかTV 電話とか、8,9割はPC を経由してという世界だったんで、なんかリアルな世界に感じなかったんですよね。

 実際に作っているものもPC の中身で目に見えないし、そういうものが世に出るやりがいはあったんですけど、大企業の中で、自分がいなくても、自分以外の誰かがここに入っても仕事が回るだろうなっていうのはわかっていて。

 30 歳くらいになると段々プロジェクトマネージャーとかリーダーっていう方になるじゃないですか。そうすると本当にやっていることがリアルに感じなくて、知らないところで仕事が始まって、知らないところで仕事が終わって、そういう世界になってきたので、やっていても面白くないし、実感もない。若い時には大企業で働くやりがいを感じたけど、やっぱり自分が30代になって、後々考えた時になんか虚しいなって思ってきましたね。

長男の小学校入学をきっかけにUターン

 子どもと家族のこれからを考えた時、都会でずっと生活していくよりやっぱり田舎の方がいいなと。僕は小さいころゲームもやりましたけど、山や川に行って遊ぶのが当たり前だったし、休みの日に毎日スキー場でスキーしたりという実体験があったので、子どもにも自分と同じような環境で育って欲しかったっていうのがあります。

 進学とか就職を考えると不利なところはあると思うんですよ。だけど東京にいてもこっちにいても最終的には本人が何をしたいか、何を目指すかだと思うんです。

 本当にやりたいことがあってそれを実現したいって気持ちがあるなら、大学選びとか就職するときにとことん苦労すればいい。不利な状況を自分の手で変えていくことによって、強い人間にもなると思う。

片品に帰ってきて。農家のやりがい

 こっちに帰って来てやっぱり農業やりたいって思いました。全部リアルじゃないですか。
種植えてそれが出てきて、よければ褒められるし、高く売れるし、悪ければ収入も下がるし。

 もう本当に目に見えるリアルっていうか。全部自分の手で自分の責任で出来るっていうやりがいがあります。サラリーマンだと、座ってて、毎日時間が流れて知らない間に口座にお金が入って。そうするとお金の価値もわからなくなって使っちゃって、貯まらなかったり。

 こっちに来てやっぱり収入も下がるし、口座を見てやばいね、なんて嫁と話して。だけどそれは自分がどんだけ農家を頑張ったかが確実にあらわれた成果だったので。
例えば生活しててどうしても使わなきゃいけないお金、子供のこととか、車の維持費とか家のローンとかって出てくるわけじゃないですか。それはもう自分にとってリアルなこととして感じることができるから、やっぱりお金がなくても工夫して楽しいって言うとおかしいかもしれないけど、生きてる感がありますよね。農業の規模も大きくしていっているので、サラリーマンよりもしかしたらいい暮らしが出来るかもしれないしって、結構楽観的には考えてるんですけど ( 笑)。

これからの暮らし

 バランスを大事にしたい。田舎にいるからスローライフを満喫してっていうだけじゃなくて、ネットも発達してるし、情報の感度みたいのを鈍らせないようにしたい。子どもたちのことや、自分の経営にも関係すると思うんですけど、田舎にいても都会の人と変わらない情報は得られるわけだからそういう感度は鈍らせず、こっちの生活に麻痺しちゃわないでバランスを保って生きていきたいなと思います。